2000年7月東芝は、トレンチ形IGBTを改良し、エミッタ側の電子注入量を増加させ、高耐圧と低オン電圧を実現した。この結果、従来のGTOを使用してきた分野がIEGTに置き換わった。
1977年に東工大・伊賀により提案され、1988年に赤色で、1993年に1.3μ帯で室温連続動作に成功していた面発光レーザーは、製造工程の複雑さから実用化が遅れていた。 2002年6月富士ゼロックスにて、プラスチック光ファイバ伝送に適した、波長850nm、出力4mWの10ギガ・イーサネット対応レーザーが商品化された。
GaN系半導体材料は、高温動作、高耐圧、高出力トランジスタとして期待が大きい。 HEMT構造にすることで電子移動度も高くなり高周波領域での動作も可能になる。モーター駆動や電源回路に用いるパワートランジスタとしても開発が進んでいる。
2002年2月に策定された大容量光ディスク「Blue-Ray」に向けて各社レーザー開発を 進めるが、三洋電機は他社に先駆けて波長405nm、パルス光出力100mWのGaN系 大出力レーザー開発に成功した。
富士通は、76GHz車載レーダー用InGaP/InGaAs HEMT MMIC(Microwave Monolithic Integrated Circuits)を開発した。これを使用した富士通テンの、世界初の前側方監視ミリ波レーダが、クラウンマジェスタに搭載された。
視感度の高い黄色を蛍光する蛍光体と青色発光ダイオードを組み合わせる白色発光ダイオードは1966年に提案された。青色発光ダイオードの進歩で、日亜化学は2006年6月に100lm/W白色LEDサンプルを出荷し、蛍光灯に匹敵する明るさを実現した。現在、日亜化学が世界の6割の白色LEDチップの製造を行っている。
有機 EL ディスプレイは、自発光、高速応答、薄型、低電圧駆動、高コントラストなど、液晶ディスプレイ(LCD)をしのぐ特徴を持っている。これまで車載ディスプレイや携帯機器用ディスプレイとして使われてきた。ソニーは世界で初めて 2007年12月1日に 11V型有機テレビ(XEL-1)を発売、有機 EL ディスプレイのテレビ用途の先鞭をつけた。
CMOS撮像素子はCMOS論理回路とモノリシック集積が可能なため、携帯電話搭載撮像素子など、小型で安価なものに使われてきた。パターン雑音、スイッチ雑音を低減する技術が開発され、CMOS撮像素子の低消費電力、高速動作を活かした大画面撮像素子が開発され、デジタル一眼レフカメラに採用された。
1982年東大荒川、榊が提案し1994年に動作確認されていた量子ドットレーザーは、従来型半導体レーザーに比べて温度変化の影響が少なく、100℃まで複雑な温度調整なしに安定動作する。量子ドット作成技術が進歩し、2009年3月に世界で初めて1310nm、10Gbps通信用量子ドットレーザーの商品化に成功した。