世界に先駆けて商用水準(4-6kV-1500A)の、LEDからの光信号でターンオンする光トリガサイリスタ(LTT: Light-Triggered Thyristor)を開発、 これを使用した高電圧電力変換装置の実用化試験に成功した。
光ファイバの最低損失波長1.55μm付近で、高速変調をかけても単一縦モード発振(動的単一モード)を維持できる、InGaAsP/InP DFB (Distributed Feedback:分布帰還)型BH (Buried-Hetero-Structure:埋め込みヘテロ構造)レーザーの開発に世界に先駆けて成功した。
当初GaAs/AlGaAsレーザーはすぐに劣化する課題があったが、シャープはp型GaAs基板を使用するVSIS(V-channel Substrate Inner Stripe)構造レーザーを開発し、約4万時間 の製品寿命を達成、家庭用CDプレーヤ(ソニー・Philips)の商品化が可能になった。
1984年12月東芝は、MOSFETの構造を工夫することで、耐圧1200V、電流容量75AのラッチアップフリーのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を開発した。 寄生サイリスタのラッチアップ抑制は不可能と考えられていた従来概念を打破した。
松下電子の上田らは、断面がU字形状のグルーブ(溝)の側面にチャネルを形成するパワーMOSFETを考案し、VMOSFET, DMOSFETよりもオン抵抗の低いスイッチング 素子を実現できることを実証した。この構造は比較的低い耐圧のパワーMOSFETに、現在(2010年)でも大々的に使用されている。
HEMTは当初高速論理素子として大いに期待され、スーパコンに向けて16KSRAMなどが開発された。しかしHEMTはマイクロ波、ミリ波帯での超低雑音特性に優位性のある ことが実証され、衛星放送受信アンテナ用低雑音HEMTが開発発売された。衛星TV時代の幕開けとともにHEMTは大々的に使用され、ベルリンの壁崩壊の一因になったとも言われる。