BTLのJ.AttalaとD.KahngはSi単結晶表面に成長させた酸化膜をゲート絶縁膜に用いる、今日のMOSFETの原型を考案し、世界で初めてその安定動作に成功した。
日立の大野らは、酸化膜中の可動イオンのMOSFET特性への影響を低減できるB-T 処理技術を発明した。この結果、Si(100)面をチャネルとするMOSFETが、Si基板と酸化膜の界面の固定電荷、界面準位の影響が最も少ないことを実証した。 以後、ほとんどのLSIはSi(100)面を用いることになる。
1963 IEEE ISSCCで、FairchildのF. M. Wanlassは相補型MOS (CMOS) の基本概念を発表、スタンバイ電力が小さく、高集積化に適していることを予見した。
高周波バイポーラトランジスタの高出力化には、単位面積当たりのエミッタ周囲長を長くすることが有利になることから、 エミッタ拡散層をメッシュ状に配置するトランジスタが考案された。UHF帯で出力数10Wのトランジスタが開発され、全固体TVサテライト装置で活躍した。
DSA(Diffusion Self Aligned) MOS FETはn型Si基板表面の拡散窓からp型、n型不純物を2重拡散してnpn構造を作製し、p層の表面に接する領域をMOSFETのチャネルに使用する。 チャネル長が不純物の拡散で決まるので、リソグラフィで加工するより短いチャレル長を実現できる。短チャネルMOSFETとして期待されたが、むしろ高耐圧化に適していることから電力用MOSFET として発展する。