日立は米国RCA社からテレビ・コンピュータの設計製造技術を導入してIC(集積回路)HD100シリーズの製造を開始し、1966年1月には、最初のICを神奈川工場に納入しIC新時代の幕開けとなった。ICは大型計算機の他、電子交換機や電子式卓上計算機に採用されるようになり、8月にはIC累計生産が1800万個の生産を達成した。
ウエファー径は1インチ、ペレットサイズは1.2mm囗のECL用で、TO型8〜10ピンに搭載された。ウエファーからチップ(素子)の切り出しには、ダイアモンドの刃先で筋線の罫書きを入れ、罫書き部を支点として90度曲げ加工で破断するスクラブ法が採用されていた。ICには、AND・NOR・NOTなどの回路が形成された。回路線幅は15マイクロメータと太い線であった。Al配線上のパシベーション膜はなく、Al配線はむき出しであった。
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