1965年頃
レジンモールドパッケージの開発
〜パッケージング〜


真空管からトランジスタに替わり、トランジスタ素子をレジンでモールドしようとする試みは、トランジスタが発明された当初から検討されていたが、レジンモールドしたトランジスタ素子は使用中に水分の影響により、特性が劣化することが知られており、1965年頃以前のトランジスタ用パッケージには、金属封止のTO型が使われていた。

トランジスタ素子にシリコンプレーナトランジスタがFairchaild社から開発され、素子の表面が物理化学的に安定な二酸化珪素皮膜で被服されるようになり、熱的に安定で接着性の高いエポキシ樹脂での封止が使えるのではないかと日立製作所の技術者達は考え、1963年より実用化検討が進められた。

モールド方式は、キャスト成型・トランスファー成型・エポキシペレット成型・ディツプ法などが検討され、量産安定性寸法安定性などからトランスファー成型方式が採用さえることになっていった。
トランスファー成型化に伴い、リードピンはマルピンの先端を金型で平坦化し、その丸ピンを冶具で押さえてトランジスタ素子のダイボンディング、ワイヤーボンディングした後、凹部冶具にレジンを注入してある別の冶具の中に組立てられたトランジスタ素子を浸漬してレジンを固めるキャスト方式から、金属の薄板を櫛刃状にプレス加工で打抜きリードピンを多連化させて、押さえ冶具を無くした多連リードフレームが開発された。                

多連リードフレームのアイデアは1964年1月に「半導体製造方法」として出願、1966年分割出願、1979年公告となり特許1067103として登録された。

【参考文献】
庄司仙治他;「レジンモールドSiトランジスタ」日立評論、昭和40年8月(第47巻第8号
  http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1965/08/1965_08_13.pdf
庄司仙治;時代を変えた発想「多連リードフレームとモールド成型」〜ごく当たりの発想からだった〜
日経マイクロデバイス1994年10月号


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【最終変更バージョン】
2015/6/5