1960年代

ネガ型フォトレジストの展開

〜装置・材料/リソグラフィ〜


1955年にベル研究所(Bell Telephone Laboratories)で開発されたフォトリソグラフィ技術にはEastman Kodakのネガ型フォトレジストKPRが使われ[1]、1959年にはFarechilid Semiconductorによってこのフォトリソグラフィを応用したプレーナ型集積回路(IC)技術が発明された[2]。しかし1960年に始まった集積回路製造では、フォトレジストのピンホール欠陥、現像時のレジスト剥がれやスカム残渣などによる歩留低下問題があった。Eastman KodakはFairchildをはじめとする デバイスメーカーで生じたこれらの諸問題を反映、改良して、1961年、KTFR(Kodak Thin Film Resist)を発表した。KTFRはその後のIC製造に広範に使われた。

1960年代、日本の半導体デバイスメーカーもKTFRを輸入してトランジスタやIC製造を行った。しかし温度・湿度変化に敏感なフォトレジストは日本では不安定であったためフォトレジストの国内生産の要望が高まり、1968年、東京応化はネガ型フォトレジスト(OMR-81)を国産化した。OMRは日本のみならず、世界で広く使用されるようになった。


[参考文献]
[1] 半導体歴史館:1960年代後半:ネガ型フォトレジスト
[2] 半導体歴史館:1959年:プレーナ型ICの発明(Robert Noyce、米国 Fairchild)


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