1960年代

フォトリピーター

〜装置・材料/リソグラフィ〜


1959年にFairchild Semiconductorで発明されたプレーナ型集積回路(IC)[1]のフォトリソグラフィ技術では、Jay LastとRobert Noyceが製作したステップ・アンド・リピートカメラが用いられた[2]。1961年、この原理をベースにしてDavid W. Mann(GCAが買収)はフォトリピーター(971PR)を商用化した。 10倍のチップ図形を感光材を塗布した基板の全面に縮小投影露光して等倍のチップの図形を形成し、XYステージを動かして露光を繰り返す。XYステージの移動のために、光学濃度の関係を読み取るマイクロ・デンシントメーター(微小光学濃度計)と図形の位置座標を手動制御するコンパレータ―の機能が使われた。1967年には、XY移動操作を自動化したフォトリピーター(1489PR)が発売された。投影レンズにはニコンのウルトラニッコールが使われた。

1960年代にはシリコンウェーハ上にフォトレジストを塗布し、図形パターンを転写したガラスマスク(フォトマスク)を密着露光(コンタクト露光法[3])するようになり、フォトリピーターは1970年代までフォトマスク製造に使われた。フォトマスク製造は1970年代後半から次第に電子線描画方式に移行したが[4]、フォトリピーターの原理はウェーハの縮小投影露光装置[5]に受け継がれていった。


[参考文献]
[1] 半導体歴史館:1959年:プレーナ型ICの発明(Robert Noyce、米国 Fairchild)
[2] 半導体歴史館:1950年代後半:ステップ・アンド・リピートカメラ

[3] 半導体歴史館:1960年代:コンタクト方式リソグラフィ技術によるシリコンデバイスの製造

[4] 半導体歴史館:1970年代後半:電子線描画装置
[5] 半導体歴史館:1978年:縮小投影露光装置


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