ディープ・サブミクロン時代に入り、ウェーハサイズも8インチ(200mm)になった。製造装置を半導体業界全体のプラットフォームとする国際的なコンセンサスが定着し、製造装置の標準化が進んだ。一方、パッケージプロセスではSiP(System in Package)化が重視されるようになり、新しいパッケージング材料のニーズが高まった。
1.3~0.8μmプロセス世代に主流となったg線縮小投影露光方式は、1990年代の0.5~0.35μm世代ではi線縮小投影露光方式へ移行した。
LSIの配線間絶縁膜に使われていたSiO2は、1990年代、微細化が進むにつれて配線間容量を低減するために誘電率の低いLow-k材料への置き換えが始まった。
1994年、バッチ式ウェーハ洗浄装置はそれまでの複槽式に代わって1つの処理槽で純水置換しながら薬液を交換して一連の洗浄処理を行うワンバス式洗浄装置が登場した。これにより洗浄工程の大幅なクリーン化、省スペース、省エネルギー化が進んだ。
1990年代後半、ディープ・サブミクロン領域の露光方式として、それまでのステッパーに代わるKrFエキシマレーザー・スキャナー方式が確立した。
1990年代後半、化学増幅型フォトレジストが実現し、KrFエキシマレーザーによるリソグラフィ技術が立ち上がった。化学増幅型フォトレジストは、その後もArFやEUVリソグラフィにも不可欠となった。
1990年代、CMP装置と関連材料のサプライチェーンが整い、STI(シャロートレンチアイソレーション)やCuダマシン配線が標準技術として普及した。
1990年代、ウェーハを密閉型の格納ポッド内に封じこめて工程間搬送し、ロードポートを通じて製造装置へ出し入れするSMIF方式が採用され始めた。この方式は2000年代以降の300㎜ウェーハプロセスでの標準になった。
1990年代後半、300㎜ウェーハプロセスへの移行に向け、製造装置・材料の国際的な標準化活動が進められた。これにより、デバイスメーカーの装置・材料調達の自由度増大、装置・材料サプライヤの開発・製造コストの低減に大きな効果をもたらした。
1998年、半導体技術の国際ロードマップ(ITRS)が発行された。半導体製造装置・材料産業にとっても貴重な指針となった。
SiP用の実装基板配線の絶縁層になるビルドアップ材料に、味の素ファインテックのABFが世界標準になった。