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2000年代 フラッシュメモリは全盛期へ 〜集積回路〜 |
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1984年に東芝の舛岡富士雄によって発明された、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ[1]は、NAND型の登場、およびメモリセルの多値化により、大容量化が一気に進み、1G(ギガ)ビットにおいて、1チップあたりでDRAMの容量を追い抜き、LSIメモリの主役に躍り出た[2]。出荷総容量(チップのメモリ容量
× 出荷チップ数)で比較すると、2000年の出荷総容量はDRAMが3,000万Gビット、NAND型フラッシュが110万GビットでDRAMが圧倒的であったのに対し、2005年には両者はほぼ同等となり、2006年にはDRAMが3億4,000万Gビット、NAND型フラッシュが6億Gビットと逆転している[3]。 実用的には、画像・音声など、大量のメモリを必要とする応用が増え、それに伴い、大容量のUSBメモリ、SDメモリカード、SSD(Solid State Drive)などが、次々と開発された。メモリの大容量化は、コストダウンと並行して進行し、そのためにチップを25ミクロン程度に薄膜化し、これを17層積み重ねるなど、積層実装技術が大いに進展した。その結果、フラッシュメモリによる記憶媒体は記憶容量においてハードディスク(HD)に比肩するようになった。東芝は、2008年より256GバイトのSSDを発売している[4]。フラッシュメモリの用途は、オーディオ、ビデオ、デジタルカメラ、携帯電話、と拡大の一途を辿り、今や、パソコンのHDを置き換える勢いである。 一方で、微細化に伴い、メモリの書き込み・消去で鍵となる、トンネル酸化膜に薄膜化の限界が見えてきており、今後どこまでNANDフラッシュを微細化できるか予断を許さなくなってきた。これを打開するため、三次元構造による超大容量のBiCS (Bit-Cost Scalable)フラッシュメモリ[5]などの新構造の提案が注目を集めている。一方、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、PCRAM( Phase Change Random Access Memory)、ReRAM(Resistance Random Access Memory)など、新規材料を用いる新しい不揮発性メモリの模索も活発化している[6]。 |
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【参考文献】 [1] 半導体歴史館:「フラッシュメモリの登場」 [2] Tech On 「Samsung,1Gフラッシュ・メモリー本格量産」: http://techon.nikkeibp.co.jp/members/01db/200208/1015921/?ST=print [3] MemCon Tokyo 2007レポート「メモリ市場編」: http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1120/mct.htm [4] 東芝ニュース・リリース(2008年9月26日): http://www.toshiba.co.jp/about/press/2008_09/pr_j2602.htm [5] 東芝レビュー(2010年3月): http://www.toshiba.co.jp/tech/review/2010/03/65_03pdf/high02.pdf#search='BiCs セル' [6] 半導体歴史館:「新構造メモリ」 【移動ページ】 集積回路/該当年代へ 【最終変更バージョン】 rev.000 2010/10/07 |