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1970年 1KビットDRAMの開発(米国 Intel) 〜集積回路〜 |
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1960年代、半導体メモリとしてまずバイポーラRAMが登場した。続いてMOS SRAMが登場し、Intelは1969年に256ビットPMOS
SRAM 1101を発売した。DRAMに関しては、1966年にIBMのRobert H. Dennardが1トランジスタのDRAMセルを考案し、1968年に特許を出願した。一方、Dennardの発明とは別にHoneywellのBill
Regitzが3トランジスタのDRAMセルを考案して、半導体メーカに製品化を提案してまわった。半導体メーカのなかでIntelがRegitzの提案を受け入れてDRAMの開発を開始し、最初の製品として1KビットのPMOS
DRAM 1102を開発したが、幾つかの問題のため製品化まで至らなかった。1102の問題点を対策して設計し直したのが1103である。Intelは1970年10月に
1103を発売する。1103も1102同様にPMOSの1Kビットの製品であった。1103は爆発的な成功を収め、それまでコンピュータメモリとして使われていた磁気コアメモリを急速に置き換えていった。 Intelの成功をみて、半導体各社は雪崩を打ってDRAMビジネスに参入する。その中でPMOSからNMOSへの転換が進んだ。1971年にはNECが1KビットNMOS-DRAMを開発した。また3トランジスタセルからDennardが提案した1トランジスタセルへの転換ではTIが先頭を切り、1973年 1トランジスタセルの4KDRAMであるTMS4030を発売した。さらに1973年にMOSTEKが、ボード上の実装密度を上げるためアドレスマルチプレックス方式を採用した16ピンパッケージの4KDRAMを発売した。こうして、NMOS、1トランジスタセル、アドレスマルチプレックス方式というDRAMの標準仕様が固まっていった。 DRAMが先行するバイポーラメモリやMOS SRAMができなかった磁気コアメモリの置き換えを簡単に成し遂げたのは、ビット単価が低かったからである。ビット単価が低いDRAMはリフレッシュ動作が必要であるという欠点にかかわらず、以後半導体メモリの主役として発展を続ける。 |
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【参考文献】 [1] 「インテル」『フリー百科事典ウイキペディア日本語版』 (2010年10月6日10:16) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AB [2] 「1970: MOS Dynamic RAM Competes with Magnetic Core Memory on Price」 『Computer History Museum 』 http://www.computerhistory.org/semiconductor/timeline.html#1970s [3] Inventors of the Modern Computer http://inventors.about.com/library/weekly/aa100898.htm 【移動ページ】 集積回路/該当年代へ 【最終変更バージョン】 |