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1969年 電卓用PMOS LSIの生産開始 (米国North American Rockwell) 〜集積回路〜 |
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電卓用の半導体デバイスがトランジスタからICに変わって小型軽量化に大きな効果をあげたのは1967年である。しかし、電卓の進化はこれで終ったのではない。次のターゲットは電卓のLSI化であった。この当時LSIは米国において、軍用・宇宙用などに使われていたが、これを民生用機器に使おうというものであった。このような動きをリードしたのはシャープの佐々木正である。佐々木は日本や米国の大手の半導体メーカーを訪問して、LSIの開発を打診したが、ほとんどの会社はその計画に躊躇した。そのような中、宇宙応用で技術を蓄積していたNorth
American Rockwell社が注文を引き受けることになる。そのときの契約はLSIが300万個、3,000万ドルという巨額なものであり、半導体業界、電卓業界の双方に大きな衝撃を与えたのである。 4個のLSIと2個のICで構成された電卓は「マイクロコンペットQT-8D」と名づけられ、従来の機種に比べて圧倒的に小型、軽量、ローパワー、低価格の製品となった。重さは1.4Kg、値段は99,800円とこれまでの電卓のイメージを一新するものであった。 シャープの動きに触発されて、各社とも電卓用LSIの開発を加速したが、その中で国産LSIのトップを切ったのは日立製作所であり、70年4月に「電卓用MOS LSIシリーズ」8品種が発表された。これを契機として積極的な販売戦略を展開し、カシオから72年に発売された6桁電卓「カシオミニ」(売価12,800円)などにも日立のワンチップLSIが使われた。カスタム設計の体制を確立した日立は電卓用LSIで高い市場シェアを獲得した。さらに他の日本メーカーの参入もあり、米国勢は次第に日本市場から姿を消して行ったのである。 |
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世界初のLSI電卓QT-8D(シャープ)2) |
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【参考文献】 1) 電卓博物館HP「Sharp desktop calculator」QT-8Dの項を参照 http://www.dentaku-museum.com/calc/calc/1-sharp/1-sharpd/sharpd.html 2) シャープ株式会社 http://www.sharp.co.jp/corporate/info/history/only_one/jouhou_t/jouhou_t_w3.html 【移動ページ】 集積回路/該当年代へ 【最終変更バージョン】 rev.002 2013/5/9 |