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1960年代後半 MOSメモリの萌芽 〜集積回路〜 |
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最初に誕生した半導体メモリはバイポーラRAMである。バイポーラRAMは1960年代半ばから開発が進み、Fairchild、Sylvania、TI、Intel等から市販された。バイポーラRAMにやや遅れて世の中に登場したのが、MOS SRAMである。商業的に最初に成功したMOS RAMは1969年に市販されたIntelの256ビットPMOS SRAM 1101であるが、その前にいくつかの積み重ねがあった。 Fairchildは64ビットMOS SRAMを1964年から1968年にかけて開発した。日本勢では、NECが1966年のISSCCに、"A 150ns Associative Memory Using Integrated MOS Transistors"というタイトルで連想メモリを発表している。NECは、その後1968年に144ビットのNMOS SRAMを開発し、翌年のISSCCに発表した。これはエンハンス型NMOS 6個で構成されたセルを持っており、電電公社の大型コンピュータDIPS-1に搭載された。 SRAMはフリップフロップ型のメモリセルで構成されるため、従来の個別トランジスタを用いた回路からの延長にあったが、DRAMは新しい概念であった。DRAMの基本アイデアに関しては、IBMのRobert H. Dennardが1トランジスタのDRAMセルを考案し、1968年に特許を出願した。 また、Intelは1969年に3トランジスタセルのDRAMの開発に着手する。3トランジスタセルは1トランジスタセルよりセルは大きくなるが、セル自身に増幅作用があるため、センスアンプなどの周辺回路の設計が簡単である。Intelの最初の製品はHoneywellと共同開発した1kビットのPMOS DRAM 1102である。1102という製品名は、PMOSメモリの2番目の製品という意味を持っていた。1101は256ビットのSRAMであり、1103が有名な1KビットのDRAMである。1102は1970年のISSCCで発表されるが、そのまま市販されることはなかった。インテルは1102に大幅な修正を施した1103を開発し、1970年10月に発売し、爆発的な成功を収めた。 4kビットDRAMの時代には、Dennardが提案した1トランジスタ型DRAMが主流となった。 |
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図 1966年ISSCCで発表されたNECのAssociative Memory [2] | ||||||||||
【参考文献】 [1] A.M. Volk et al "Recollections of Early Chip Development at Intel" Intel Technology JournalQ1 (2001). [2] R. Igarashi, T. Kurosawa and T. Yaita, “A 150-Nanosecond Associative Memory Using Integrated MOS Transistors,” Digest of Technical Papers, International Solid-State Circuits Conference (ISSCC), PP104-105, 1966. [3] 日本電気株式会社百年史 PP529 日本電気社史編纂室 2001年12月 [4] Mary Bellis "The Invention of the Intel 1103 - The World's First Available DRAM Chip" http://inventors.about.com/library/weekly/aa100898.htm 【移動ページ】 集積回路/該当年代へ 【最終変更バージョン】 rev.001 2010/10/16 |