1979年
ワンチップフロッピィディスクコントローラの開発(NEC)
〜集積回路〜



1970年代から1980年代は半導体の集積度が高まり、また情報機器の性能が飛躍的に発展した時代であった。外部記憶としてパンチカード、紙テープなど紙を媒体とする記憶手段から扱いやすい磁気媒体に急速に変化していった。特に8インチのフロッピィディスク、その後さらにサイズが小さい5インチや3.5インチのフロッピィディスクが開発され、パーソナルコンピュータを中心に搭載された。このような時代背景を元に、簡便に使えることができ、種々のフォーマットに対応できるコントローラが要求された。このワンチップフロッピィディスクコントローラが開発されるまでは、フロッピィディスクから読み出したデータをシリアル・パラレル変換するLSIと、フロッピィディスクのフォーマットを扱うマイクロプロセッサからなるサブシステムで構成され、コントローラとしてほぼ基板一枚の大きなものであった。

このコントローラは一つのシリコン基板上にフロッピィディスクをコントロールするほぼすべての機能を集積しており、ホストCPUの負担を大幅に軽減できるようになった。このコントローラはシリアルデータを扱うシリアルデータプロセッサと、主にフロッピィディスクのフォーマットを取り扱う8ビットのプロセッサで構成されている。シリアルデータプロセッサでは読み出されたシリアルデータを8ビットパラレルデータに変換するとともに巡回冗長ビット生成し、ディスクからのデータに誤りが無いことを確認する。8ビットのプロセッサはシリアルプロセッサから受け取った8ビットデータを基にトラック情報、セクタ情報、データなどを読み取るフォーマット制御を行う。
 いずれのプロセッサもROM、RAMも合わせて集積されており、ホストプロセッサからのハイレベルコマンドでこのプロセッサを簡単に制御できるようになっている。また、集積されているROMのコードを変えることにより、各種のフロッピィディスクのフォーマット、UARTをはじめとするシリアルデータとしても動作するように考えられている。

図 ワンチップフロッピィディスクコントローラ μPD765 の外観写真
(提供:ルネサスエレクトロニクス)


【参考文献】


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【最終変更バージョン】
rev.001 2010/10/16