黎明期の人々

岩間 和夫
(いわまかずお)

1919年2月7日生
1942年 東京帝国大学理学部地球物理学科卒業
1946年 東京帝国大学地震研究所を経て東京通信工業(現ソニー)入社
1954年 トランジスタ技術勉強のためウェスタンエレクトリックなどアメリカを訪問
1957年 東京通信工業(株)常務取締役
1966年 ソニー(株)専務取締役
1970年 CCD開発開始 (CCD プロジェクトを自ら設定したのは1973年)
1971年 ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカ取締役社長
1976年 ソニー(株)代表取締役社長
1979年 藍綬褒章 受賞
1980年 世界初のCCDカラービデオカメラ開発
1982年8月24日逝去

岩間和夫のウェスタンエレクトリック社のトランジスタ製造工場を見学し、その仔細を東京へ書き送った報告書(岩間レポート)が有名である。さらにCCDの開発にあたっても、トップマネジメントとして全てをかけた。半導体の力に確信を持ち、MOSLSIの開発を捨て、全リソースをCCDに集中させて新たなセンサー産業の創出にかけた。相手はイーストマン・コダック社などのフィルム産業と位置づけた。そして開発担当者に具体的な指示、指導、激励を続けた。

当時のLSI技術は未熟で開発は困難を極めた。開発費は膨らみ、商品化の目処が立たず、開発中止の声の広がる中、最後までCCDプロジェクトを支え、遂に成功への足がかりを確保した。1982年岩間和夫は他界したが、関係者たちはその「遺志をついでCCDを必ず成功させる」と努力し、量産への道を開いた。

翌年、量産化にこぎつけると関係者たちは岩間さんの墓前に報告、墓石に量産されたCCDを貼りつけた(写真下参照)。



1989年累積赤字を解消、その後はソニーの収益の柱に成長。

ソニーのなかでも、創造的な技術、商品、ものづくりと長期に亘る苦難を乗り越えた人的集団の記録的事例である。


【参考文献】


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【最終変更バージョン】
ver000 2010/11/19


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