1990年
小型高放熱パッケージMCC適用大型計算機出荷
〜パッケージング〜



日立製作所は、大型計算機用LSI素子をMCC(Micro Chip Carrier)と呼ぶ実装方式を開発し、1990年に水冷式大型計算機(M-880H)を出荷した。

MCCはムライトセラミック基板上に薄膜多層配線を行い、LSI素子とは微小はんだボールでフリップチチップ接続した。MCCは全面はんだボールが付き、106mm□のムライト多層配線基板に36個〜41個をモジュール基板にはんだボール接続した。LSIの裏面にはセラミックキャップを気蜜封止し、MCCの周りをオイル冷却出来る構造とした。10〜12mm□のMCC基板(厚膜導体6層、薄膜導体6層の混成)の裏面には528個のはんだボール端子が0.45mm間隔で形成され、適用LSIの消費電力は21Wあった。MCC上には、櫛歯構造のフィンが付きその上に櫛歯構造の銅製水冷冷却のジャケットを配置し、冷却効果を高めた実装方式が採用された。

MCCはLSI素子寸法に近似のパッケージ形状であり、1990年代のCSP時代に先行した技術であった。


【参考文献】
小林二三幸他;「超大型プロセッサーグループ“HITAC M-880のハードウエア技術」日立評論、Vol.73,第2号 (1992−2)
   http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1991/02/1991_02_06.pdf
小高俊彦他;「大型コンピュータの実装とLSI」研究開発小史第1巻、日立返仁会


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【最終変更バージョン】
2015/6/5