1985年
超音波探傷技術の開発
〜パッケージング〜



表面実装型パッケージQFPやPLCCなどは、プリント基板へのはんだ付け工程において、パッケージが割れたり、金線が切れたりすることがあり、その原因を調べた結果、封止樹脂とリードフレーム界面やLSI素子界面の接着性が悪いことが判り、精密調査の結果封止樹脂の吸湿水分の影響であることが判明した。

1985年頃、パッケージプロセス開発を担当していた日立製作所の技術者は、パッケージ内部の構造欠陥を調査する方法として超音波探傷方法が使えるのではないかと考え、材料欠陥探傷技術について詳しい日立建機(株)に相談し、同社から超音波ビーム25MHzや50MHzのビームを発信し、反射波を受信し、信号処理されたデータを画像と得る超音波探傷装置(SAT)のAT5000装置の販売が開始された。

この技術のお陰で、接着性の高い樹脂開発や構造開発が飛躍的に進み、樹脂封止型パッケージのリフロー品質が向上することになり、マイコンやメモリなど高信頼性を要求する素子の樹脂封止化が達成されることになり、低価格化が実現することになっていった。

下図左はその装置の一部の写真、中央は超音波探傷装置の原理、右はDRAMのクラック写真である。




【参考文献】
1) 野中寿夫;「超音波探傷映像システムの開発」日立評論、68、6,(1986,6)
    http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1986/06/1986_06_12.pdf
2) 野中寿夫、沖川進; 「超音波探傷映像システムの開発」信学研究会R86−68(1987,3)

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【最終変更バージョン】
2015/6/5