1975年
薄い砥石による自動ダイシング法確立
〜パッケージング〜



第一製砥(後にディスコに社名変更)は、1975年のSEMICON WESTにダイサーを展示した。シリコンからIC素子を切り出すのに、それまでダイヤモンドを押し当て、シリコン表面の素子回路部の外側に直線の傷を4箇所つけ、その傷の部分に引張応力を与え、てこの原理で素子を分離するスクラブ方法が採用されていた。新たに開発された装置は、40ミクロン程度の薄いダイヤモンドの円盤を回転させて、純水を流しながら切削する画期的な装置であった。

このダイサーをMOSICに適用すると、純度の高い純水の分子がぶつかり合うことにより、MOSを静電破壊させていることを発見した鞄立製作所の技術陣は、純水にCO2を加えて純水の電気電導度を下げた純水では不良にならないことを確かめられた。

ダイシングする時に切断されたICが飛散してしまうことを防止するために、ダイシングテープと貼付装置が日東電工鰍ノより開発された。ダイシング時にはダイシングで全切断するのではなく、厚み方向の半分程度の厚みまでカットしておき、ダイボンディング工程にいて下側からピンを突き上げて分離する方法、テープからIC素子を引き剥がし易いように紫外線を当てると接着特性がなくなるダイシングテープ開発など3社の共同作業として確立した。

その後、円盤砥石の厚みはより薄くなり、取り扱うウエファーの径が大きくなったり、ベベルカットなど2枚の砥石を使う装置になったりするが、基本の方法はこの時点で確立した。




【参考文献】
参考文献; 関家一馬:「ダイサー」日本の装置・材料技術の軌跡、SEMIジャパン(2006)


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【最終変更バージョン】
2010/10/26