1991年
樹脂基板へのフリップチップ接続技術開発
〜パッケージング〜



1991年1月日本IBM社から、コストの高い多層セラミック基板に替えて、高精細な配線パターンを形成出来るビルドアップ方式を用いたプリント配線基板に、LSI素子をフリップチップ接続方式によってダイレクト実装する技術が発表された。

ダイレクト実装したチップと基板の間隙を埋めるアンダーフィル樹脂の採用により、チップと基板の熱膨張係数差(チップ:3ppm/℃、基板:17ppm/℃)によって生じるフリップチップはんだ接続部の疲労破壊寿命を、それまでのC4接続(Controlled Collapse Chip Connection)に比較して、一桁以上改善した。

ビルドアップ基板は、通常のプリント配線板をコアとして、その両側にエポキシ絶縁層と銅配線を逐次積層したビルドアップ層を持つ設計で、絶縁層にフォトプロセス(後にレーザー)で開けたマイクロビアホールで、上下の銅配線層を接続する構造である。

下図中央がビルドアップ配線基板断面写真、右側がアンダーフィル樹脂封止フリップチップボンディング、左側が設計寸法模式図である。
設計寸法模式図
ビルドアップ配線板
フリップチップボンディング
(図、写真は塚田裕氏提供)

【参考文献】
塚田裕;「フリップチップ技術」日刊工業新聞社発行、2000年6月初版


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【最終変更バージョン】
2010/10/26