1990年代前半
200mm(8インチ)ウェーハへの移行

〜プロセス技術〜



200mm(8インチ)装置が登場を始めたのは1988年国際電気の縦型拡散炉辺りからである。1996年同じ国際電気から200mm縦型バッチLPCVDが発売されており、200mm装置への移行準備が始まっている。1991年には東京エレクトロン/全自動コータ―デベロッパー、アルバック/イオン注入装置、国際電気/縦型エピ装置への発売と続いた。これは200mm化への移行とプロセス改善が1990年代に大きく進行した証しである。

200mm工場としては1990年代初めにNECは九州、日立は甲府、東芝は四日市と、当時優勢だった日本半導体勢は軒並み200mm工場を建設した。

一方、200mm化においてはゴミ対策、ウェーハカセット重量の増大などから完全自動化による省人化も重要なテーマとなり、全自動化+大口径化の二重の要求に装置メーカーとユーザーの二人三脚による努力が続けられた。

大口径化では高温プロセスでの温度ばらつきが問題となり、拡散・アニール・LPCVDでのウェーハ挿入出時の対流による温度降下が問題となった。その結果お椀を伏せたような形の縦型炉が採用、市民権を得るきっかけになった。この縦型炉はウェーハを垂直に立てる横型炉に比べて自動化が水平移動で対応できるメリットも兼ね備えていた。

また、LPCVDでは熱歪と同時にウェーハ内の膜厚均一性も問題となり、特にドープトポリシリコン、高温酸化膜などの複雑なプロセスにおいてはガス流を均一化する為の特殊なボート(円盤保持型)が考案されたり、枚葉式装置が考案されたりしたが生産性の低下は回避しきれなかった。


「縦型拡散炉2)

【参考文献】
1)創立20周年 社団法人化10周年記念誌(SEAJ)
2) http://www.hitachi-kokusai.co.jp/products/semicon/batch/200mm.html


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【最終変更バージョン】
rev.001 2010/10/26