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1974年 低雑音GaAs MESFET 市販(NEC) 〜個別半導体・他〜 |
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NECはGaAs MESFET (Metal Semiconductor Field Effect Transistor) のマイクロ波トランジスタとしての有望性にいち早く着目し、1970年から研究開発を開始した。良好なマイクロ波特性、特に低雑音特性を得るには、遮断周波数と相互コンダクタンスgmの向上、寄生抵抗の低減がキー
である。このため結晶成長技術では、n型チャネル層と半絶縁性基板界面に高純度バッファ層を導入して基板界面での電子移動度の低下を防ぎ、高gmを実現した。電極形成技術では、低抵抗で安定なショットキー性を有するAlのサイドエッチングによる短ゲート形成、そのエッチングマスクを利用したソース・ドレインオーミック電極蒸着・形成という、通常の光リソグラフィーを用いた微細セルフアライン素子プロセスを開発し、高い遮断周波数と低いゲート−ソース間チャネル抵抗を達成した。さらにAu-Ge系電極のGaAsとのアロイ反応機構を解明し、低接触抵抗で高信頼なオーミック電極形成技術を開発した。これらの技術を適用、4GHzにおいて雑音指数1.4dB(利得13.5dB)、最大利得17dBと高性能で、かつ高信頼性の1μmゲート低雑音GaAs
MESFET (NE244)を開発し、C〜X帯(4〜12GHz)で使用できる初めての3端子固体(半導体)デバイス (Solid-State Device)として、世界に先駆けて商品化した。 このGaAs MESFETの商品化、さらには引続いての0.5μmゲート超低雑音MESFET (NE388、NE137)等の開発・商品化は、地上マイクロ波回線通信装置、衛星通信地上局、衛星放送受信装置等のマイクロ波帯無線通信装置の小型化・高性能化、普及に大きく貢献した。 |
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気相エピタキシャル成長層の電子移動度プロファイル(5) |
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ソース−ゲート−ドレイン電極のSEM像(5) |
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1μmゲート低雑音GaAs MESFETチップ(5) (ゲ−ト幅:150μm×2=300μm) |
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(1) T, Nozaki et al., Proc. 1974 Int’l Symp. GaAs and Related Compound, pp. 46-54. (2) US Patent, 3,994,758. (3) K. Ohata and M. Ogawa, Proc. 12th Ann. Reliability Phys. Symp. (1974), pp. 278-283. (4) 小川他、電子通信学会電子装置マイクロ波研究会、ED73-67 (1974). (5) M. Ogawa et al., IEEE Trans. Microwave Theory Tech., MTT-24, pp. 300-305 (1976). (6) T. Irie et al., ibid, pp.321-328 (1976). |
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【最終変更バージョン】 rev.002 2011/1/24 |