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1990年 世界初HDTV向け1インチ200万画素CCD撮像素子開発 (ソニー、東芝、松下) 〜個別半導体・他〜 |
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1989年6月にNHK BSでHDTVの実験放送が始まり、HDTV向け撮像素子の開発が活発になった。1988年から1990年にかけて、日本の撮像素子メーカー(ソニー、東芝、松下)は世界に先駆けて、ITU(国際電気通信連合)-R勧告709のHDTV規格に(9:16アウペクト比、1125本走査線、2:1インターレース)に沿った200万画素(1920H×1036V)FIT(Frame
Interline Transfer)方式CCD撮像素子の開発に成功した。 東芝は、図に示すように、オーバーレイ構造のPhoto-conductiveアモルファスSi (a-Si : H)膜を受光素子を用いている。7.3μm(H)×7.6μm(V)画素を200万個、1インチオプテイカルフォーマット(14.0(H)mm×7.8(V)mm)に集積している。 ソニーは図に示すようにpnフォトダイオードを受光素子に用いている。n層の表面に正孔蓄積層を付加し、表面から発する暗電流を抑えるHAD(Hole-AccumulationDiode)と呼ばれるソニー独自の構造を採用している。 1992年にソニーは、このCCD撮像素子3個を使用する、3板式HDカラーカメラを発売した。 CCD撮像素子の高画素化、小型化はこの後20年限りなく進み、2009年にシャープは、1/2.3型1200万画素CCD撮像素子を開発・発売した。1画素の面積は1.55μm×1.55μmまで縮小している。 |
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図1.東芝のHDTV用1インチ型200万画素CCD撮像素子の画素部分の断面図 (アモルファスSiを光センサーに使用している)(1) |
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図2.ソニーのHDTV用1インチ型200万画素CCD撮像素子の画素部分の断面図 HAD構造 (pnフォトダイオード表面に正孔蓄積を付加)(3) |
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【参考文献:】 (1) S. Manabe, Y. Matsunaga, M. Iesaka, S. Uya, A. Furukawa, K. Yano, H. Nozaki, Y. Endo, Y. Egawa, Y. Endo, Y. Ide, M. Kimura, & N. Harada, “A 2-million pixel CCD imager overlaid with an amorphous silicon photoconversion layer”, IEEE ISSCC Digest of Tech. Papers, pp. 50-51, (1988) (2) T. Nobusada, M. Azuma, H. Toyoda, T. Kuroda, K. Horii, T. Otsuka, & G. Kano, “Frame interline transfer CCD sensor for HDTV camera”, IEEE ISSCC Digest of Tech. Papers, pp. 88-89, (1989) (3) K. Yonemoto, T. Iizuka, S. Nakamura, K. Harada, K. Wada, M. Negishi, H. Yamada, T. Tsunakawa, K. Shinohara, T. Ishimura, Y. Kamide, T. Yamasaki, & M. Yamagishi, IEEE ISSCC Digest of Tech. Papers, pp. 214-215, (1990) (4) シャープ・ニュースリリース、“業界最高 1/2.3型1200万画素CCDを開発・発売” http://www.sharp.co.jp/corporate/news/090113-a.html |
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【最終変更バージョン】 rev.002A 2010/10/26 |