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1997年 スーパージャンクションMOSFET発明(富士電機) 〜個別半導体・他〜 |
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従来型高耐圧パワーMOSFETでは、耐圧を確保するために、ドリフト層を低濃度なn層で形成し,空乏層を伸ばして電圧を保持する。そのため、高耐圧の素子ほどドリフト層が厚くなり、濃度が低くなって、ドリフト抵抗が増加し、MOSFETのオン抵抗は高くなる。これが、オン抵抗−耐圧トレードオフと呼ばれ、従来構造では、オン抵抗をRon、耐圧をVbで表わすと、Ron∝(Vbの3乗)の関係がある。 富士電機の藤平らは、ドリフト層にスーパージャンクション(SJ)構造と呼ばれる周期的なp-nカラム構造を形成するMOSFETを考案した。従来の素子では、オフ状態デpベース底部から低濃度n層(ドリフト層)中に縦方向に空乏層が伸びていたのに対して、SJ構造は縦方向に伸びるp-n接合から横方向に空乏層が伸びる。電流通路であるn層の濃度を上げても空乏化しやすいので、オフ状態での高耐圧を確保しながら、オン抵抗を従来型に比べて1/100以下に下げることが出来る。 SJ-MOSFETは、1997年に発表されて以来、各社活発に開発がおこなわれており、結晶成長・加工技術の進歩でSJ構造の横方向微細化によるアスペクト比を大きくすることで、単位面積当たりのオン抵抗の低減が進んでいる。 |
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従来構造(DMOSFET)とスーパージャンクション(SJ)MOSFETの断面構造略図(3) |
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SJ-MOSFETの単位面積当たりオン抵抗の減少の様子(ASJ :p-nカラムのアスペクト比)(4) |
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【参考文献】 (1)T. Fujihira, “Theory of semiconductor superjunction devices” Japanese J. Appl. Phys. Vol. 36, pp. 6254-6262, (1997) (2)T. Fujihira, & Y. Miyasaka、"Simulated superior performances of semiconductor superjunction devices” Proc. Intl. Symposium on Power Semiconductor Devices and ICs, pp. 423-426, (Jun 1998) (3) 大西 泰彦、大井 明彦、島藤 貴行、”Superjunction MOSFET” 富士時報, Vol.82, no. 6, pp. 389-392, (2009) (4) 齋藤 渉、“電源回路向け高耐圧パワーMOSFET πMOS-VII 及び DTMOS-IIシリーズ”東芝レビュー、Vol. 65, No.1, pp. 11-14, (2010) |
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【最終変更バージョン】 rev.000 2010/10/26 |