1990年代

ウェーハ搬送対応SMIF

〜装置・材料/ファブ・共通


SMIF(Standard Mechanical Interface)は、半導体製造において、ウェーハを密閉型の格納ポッド内に封じこめて工程間搬送し、ロードポートを通じて製造装置へ出し入れする機構である。この方式は1980年代にHewlett Packardによって開発され、SMIFポッドとロードポートはAsyst Technologiesから製品化された[1]

半導体製造において、1960年代からウェーハをカセットに入れて工程間搬送していた[2]。カセットは開放型であるため、ウェーハは搬送過程で外界の不純物やパーティクルに汚染される可能性があり、クリーンルームの清浄度を微細化に従って高めてきた。SMIF方式はこのカセットを密閉型にして外界からの汚染を防ぐものである。1990年代、より高いクリーン度が求められるサブミクロン領域に入って、米国や台湾の一部でSMIF方式が採用された。

一方でウェーハに対する最大の汚染源は人間であったので、1980年代には半導体製造の自動化が始まった[3]。AGVや天井搬送システムを使ってウェーハカセットを処理装置に搬送し、カセットのウェーハはロボットで処理装置に出し入れし、汚染源である人間を関与させない方式である。SMIFは製造工程の自動化にも適合しうる方式であった。

1990年代後半、300oウェーハプロセスに向けた標準化活動が始まり、SMIF方式のウェーハポッド(FOUP;Front-Opening Unified Pod)とロードポートのSEMI 規格が定まった。2000年代以降に本格化した世界の300oウェーハプロセスラインはSMIF方式で標準化された。


【参考文献】
[1]Asyst-SMIF System The Chip History Center
https://www.chiphistory.org/159-asyst-smif-system
[2]1960年代前半 カセット・ツー・カセット方式
[3]1980年代後半:全自動ファブ


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