2002年1月
東芝DRAM事業撤退NANDに集中

〜業界動向〜



  1. 1970年代後半より立ち上げてきた日本メーカのDRAM事業は1980年代前半で米国メーカ をとらえ、1980年代後半の256K,1MDRAM世代で世界1となった。しかし1994年、16MDRAMでは市場の停滞で激しいコスト競争となり、Samsungにトップの座を奪われ、1996年からのメモリ不況からDRAMは日本メーカ各社の収益を大きく悪化させて行った。
  2. 1998年以降市場は回復したが日本メーカ各社のDRAM収益は完全回復ならず事業縮小が加速、撤退も始まった。日立、NECは1999年合弁のELPIDAメモリを設立、DRAM事業から撤退した。
  3. 米国でもDRAM事業はリストラ対象、1997年Motorolaが撤退、1998年TIもDRAM 事業をMicronに売却、米国のDRAMメーカはMicron一社となった。
  4. 以降世界のDRAM市場は2004年で2.4兆円、2008年で3兆円と成長を続けているがベスト3は、1.Samsung、2.Hynix、3.Micronである。
  5. 世界のDRAMランクを下表に示す
ランク
1989
2001
1
東芝
Samsung
2
NEC
Hynix
3
日立
Micron
4
富士通
Elpida
5
三菱
Powerchip
  1. SamsungのDRAM世界シェア 1986年3.3%, 1992年13.5%, 2008年30%
  2. Samsung内のDRAM比率は、 1992年 85%, 2008年 40%
  3. 世界のDRAMシェア推移を下表に示す
. 1975 1980 1986 1990 1995 2000
日本 0% 35 77 60 42 17
米国 100% 50 17 20 20 17
韓国 0% 1 <5 15 35 50
  1. 2002年初頭の下記SIA報告に見られるように市場としての日本のDRAMも他地域に比し伸びていない。

米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)は米国時間5月2日に,2002年3月の世界半導体市場に関する調査結果を発表した。3月における世界市場の売上高は107億5000万ドルで,2月の100億3000万ドルと比べて7.2%成長した。「1986年4月以来,最も高い増加率を記録した」(SIA)

「DRAMが好調で,市場全体の売り上げを牽引した。2002年第1四半期は2001年からの再建の兆候がみうけられ,日本を除くすべての大手市場が成長をみせた。日本は横這いだった」(SIA議長のGeorge Scalise氏)


【参考文献】
1. 日本半導体敗戦 湯之上 隆著
2. 日米韓台半導体産業比較 谷 光太郎著
3. 韓国工業化と半導体産業 吉岡 英美著
4. わが半導体経営哲学 川西 剛著
5. http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20020507/2/


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【最終変更バージョン】
rev.004 2010/10/16