主役は「トランジスタ・ガール」

 
写真A  東芝トランジスタ工場の後工程の作業風景
 

写真B ゲルマニウム薄片の表面研磨


写真C ウエハーの品質検査


写真D  不純物拡散用インジウムドットの品質試験

 韓国の文明評論家、李御寧(イ・オリョン)氏は、日本人の小さなものを愛でる文化を「トランジスタ文化」と呼んだが、そのトランジスタづくりを下支えしたのは俗に「トランジスタ・ガール」と呼ばれる若年の女子作業者だった。
  写真Aは前記東芝トランジスタ工場の後工程の作業風景で、ずらり居並ぶ女子作業者が整然と製品検査を行っている。仕事に向かい合う彼女らの生真面目さと、器用で丁寧な手作業が日本の半導体産業を世界の最前列に引き上げた。
 実際、この写真が撮られた1959年当時には早くも11社がトランジスタの生産に着手、この年の生産量は8,650万個にのぼった。この1年だけだが米国の生産を上回り、世界に冠たる「トランジスタ生産大国」になっていた。
 同じく掲載した写真はいずれも同工場の作業風景で、ここにも女子作業者しか見当たらない。写真Bはゲルマニウム薄片の表面研磨、写真Cはウエハーの品質検査、写真Dは不純物拡散用インジウムドットの品質試験を行っているところ。   (東芝提供)

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