64画素のCCDで「S」の字
72年に完成した64画素のCCDが映し出した「S」の字
ベル電話研究所の新半導体素子「CCD」の情報をいち早く入手していたのが、当時ソニーアメリカの社長だった岩間和夫氏である。1969年の暮れ、ベル研を訪ねた岩間氏は当のBoyle氏からこの新素子の話を聞いて、自社の民生機器開発に役立ちそうだと直感した。
ソニーは70年12月、中央研究所を拠点にしてCCDの開発プロジェクトをスタートさせている。若手の越智成之氏(後に常務)がリーダーになった。
試作に取り組んでみると、意外と簡単にデバイスができた。まず8画素、次いで64画素のチップができた。写真は72年に完成した64画素のCCDが映し出した「S」の字で、もちろんソニーの頭文字を表している。
73年に岩間氏が帰国、副社長兼中央研究所長に就任した時点で開発活動が本格化している。 (ソニー提供)