人材供給源としてのイスラエル

 
1Intelのイスラエル・エルサレム工場

 長いジャーナリスト生活を送るなかで、さまざまな国の実にたくさんの工場を見る機会に恵まれたが、イスラエルもそんな国の1つ。米国系半導体製造装置大手の開発センターがオープンしたのを機会に招かれたもので、そのつてで同国の半導体メーカーをいくつか訪問した。
 写真にあるのは、Intelのエルサレム工場で、主力のマイクロプロセッサーを生産する拠点工場の1つ。第2次中東戦争の戦火の跡が至る所に見られるなかでの訪問だったが、エルサレムの丘の上にそびえ立つ同工場はまったく被災せず、工場も普段通り動いていた。
 地中海沿いのハイファにあるインテル・デザインセンターは500人以上の研究者を擁した同社の「頭脳」部門。ここでEPROMの発明者で同社副社長のDov Frohman氏に会った。彼は「発明は天才の産物ではない。夢を持ち、疑問を抱くことが何よりも大切だ」と熱っぽく説き、自らの成果を「IntelにとってDRAM後の事業の流れをつくる重要な発明になった」と語った。
 聞けば、自然科学系ノーベル賞受賞者のうち20%はユダヤだという。そんな人材供給力が吸引力になって、エレクトロニクスやコンピューターソフト、バイオ系企業のイスラエル進出が続いている。

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