ジャパン・バッシングのはしり

 
「シリコンバレーの日本人スパイ」記事を掲載した「フォーチュン」誌

 「シリコンバレーの日本人スパイ」――この何ともショッキングな記事を掲載したのは、米国の経済誌「フォーチュン」の1978年2月27日号だった。
 同誌によれば「シリコンバレーは平常は友好的で平和な場所であるが、今や日本の商業的な攻撃によって不安と非情に満ちみちている」「日本企業はシリコンバレーに出先機関を置いて、公然あるいは内密に情報を収集している。また彼らは革新的な製品のサンプルを買い漁っては日本に送っている」「これら多くの日本人は、米国メーカーとの取引で合法を装っているが、その熱心過ぎる行為には疑問が生じてきた。彼らは『半導体サムライ』というべき新しい種族であり、『トラ』と呼ばれている」と日本企業の行動を厳しく非難している。
 当時インテル会長のR.Noyce氏も「彼ら(日本人)は、われわれの喉元に迫ろうとしている。このことを認識した上で何らかの対策を講じる必要がある」とコメントしている。
 氏をはじめとした業界関係者は、その前年の3月に「米国半導体工業会(SIA)」を結成しており、これを機に米国側の対日攻勢は急速に高まった。

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