牧本資料室の開設にあたって
牧本次生
SSIS理事 日本半導体歴史館館長
この度、日本半導体歴史館の一角に牧本資料室を設置させていただくことになりました。オープニングにあたり一言ご挨拶を申し上げます。
私は1959年に日立製作所に入社し、新設の半導体部門に配属となりました。同期入社の7名と共に、日立において半導体部門に配属された第1期生であります。私の担当はゲルマニウム・トランジスタの歩留管理から始まりましたが、この時期に日本半導体産業がテイクオフを始めたのです。
この展示室は第1期生の目を通して見た半導体歴史の体験的な記録です。網羅的・体系的な歴史の記述でなく、半導体現場の中を生き抜いてきた一人の産業人が見たり、聞いたり、触れたり、考えたりしたことの記録であります。ダイナミックな半導体産業の生の姿を臨場感あふれる感じでお伝えできればと考えています。
わが国の半導体は終戦後、アメリカからの技術導入をもとにスタートしました。いち早く民生品の分野に応用されて大きく発展し、続いてメモリ分野で大躍進したところで日米半導体摩擦へと発展していきました。摩擦が収束した頃には市場はデジタル分野に移行、水平分業モデルが広がって、日本半導体の競争力は急速に地盤沈下していきました。そのような波乱万丈の半導体歴史の記録を残したいと考えています。
半導体産業は変転極まりない産業であり、「将来は過去の単純な延長線上にあらず」と言えると思います。従って、「勝者は常に勝者ならず、敗者は常に敗者ならず」であります。日本の半導体は現在厳しい状況にありますが、復権のためには新しい変曲点をいち早くとらえて波に乗ることが大事です。この展示室が「温故知新」の一つの事例としてお役に立てることを願っています。
2014年7月11日
牧本 次生氏 略歴
牧本氏 経歴書
<学歴等>
<職歴>
<業界・学会等の活動経歴>
<主な活動実績など>
<受賞実績>
<著書>
牧本資料室の開設にあたって
牧本次生
SSIS理事 日本半導体歴史館館長
この度、日本半導体歴史館の一角に牧本資料室を設置させていただくことになりました。オープニングにあたり一言ご挨拶を申し上げます。
私は1959年に日立製作所に入社し、新設の半導体部門に配属となりました。同期入社の7名と共に、日立において半導体部門に配属された第1期生であります。私の担当はゲルマニウム・トランジスタの歩留管理から始まりましたが、この時期に日本半導体産業がテイクオフを始めたのです。
この展示室は第1期生の目を通して見た半導体歴史の体験的な記録です。網羅的・体系的な歴史の記述でなく、半導体現場の中を生き抜いてきた一人の産業人が見たり、聞いたり、触れたり、考えたりしたことの記録であります。ダイナミックな半導体産業の生の姿を臨場感あふれる感じでお伝えできればと考えています。
わが国の半導体は終戦後、アメリカからの技術導入をもとにスタートしました。いち早く民生品の分野に応用されて大きく発展し、続いてメモリ分野で大躍進したところで日米半導体摩擦へと発展していきました。摩擦が収束した頃には市場はデジタル分野に移行、水平分業モデルが広がって、日本半導体の競争力は急速に地盤沈下していきました。そのような波乱万丈の半導体歴史の記録を残したいと考えています。
半導体産業は変転極まりない産業であり、「将来は過去の単純な延長線上にあらず」と言えると思います。従って、「勝者は常に勝者ならず、敗者は常に敗者ならず」であります。日本の半導体は現在厳しい状況にありますが、復権のためには新しい変曲点をいち早くとらえて波に乗ることが大事です。この展示室が「温故知新」の一つの事例としてお役に立てることを願っています。
2014年7月11日
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