1978年
11万画素CCD撮像素子商品化(ソニー)
〜個別半導体・他〜


CCD撮像素子(イメージセンサー)は、画像を電気信号に変換する際に、受光素子が光から発生した電荷を読み出すために電荷結合素子 (CCD: Charge Coupled Device) と呼ばれる回路素子を用いて転送を行う。CCDは1969年にBTLのWillard BoyleとGeorge Smithが発明した。CCD 撮像素子の開発は、1971年から始まり1975年にFairchildが100×100画素のそれを商品化した。カラービデオ撮像に対応できる画素数と、RGBのうちのうち特にBに必要な受光感度を有する撮像素子の開発が焦点であった。

ソニーは、受光エリア13μm×6μmのフォトトランジスタのアレイ(横242画素×縦490画素=118,580画素)で構成される実用感度を持つCCD撮像素子(2/3型フォーマット)の開発に成功、商品名ICX008として1978年に商品化した。1980年1月にはICX008を使用する、世界初のCCDカラーカメラ(XC-1)が市販した。XC-1は、全日空のジャンボ旅客機に搭載され、離着陸の様子を機内に映し出す「スカイビジョン」に採用され、大きな反響を呼んだ。

その後、CCD撮像素子は、小型化と多画素化に向けて開発が進み、1989年には、オンチップマイクロレンズ構造1/2型25万画素CCD撮像素子を搭載した、パスポートサイズハンディカム(CCD-TR56)が発売され、爆発的ヒットとなり、CCD撮像素子の本格的ビジネスが始まった。


図1 ソニーの開発した11万画素CCD撮像素子の構造(1)

世界初、2チップCCDカラーカメラ(XC-1) (2)
図3 1/2型25万画素CCD撮像素子を搭載したパスポートサイズハンディカム(CCD-TR55)(2)

【参考文献】
(1) M. Abe, T. Shimada, C. Okada, T. Ando, Y. Kanoh, T. Hashimoto, & H. Yamasaki, “A CCD imager with SiO2 exposed photosensor arrays”, IEEE IEDM Digest of Tech. Papers, pp. 542-545, (1977)

(2) “技術の「芽」、電子の「眼」<CCD>”、Sony History, 第2部、第11章、(1996)
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/SonyHistory/2-11.html

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rev.001 2013/5/9