日本半導体イノベーション50選  (A-6 1960年代)

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電子腕時計の商品化 

1969年12月、セイコーエプソン(当時 諏訪精工舎)は世界初のクオーツウオッチ「セイコークオーツアストロン 35SQ」を開発、商品化した。この世界初の電子腕時計の誕生は国内外の脚光を浴びた。水晶発振駆動回路によるステッピングモータ式であり、機械式に比べて圧倒的な高精度を実現。また、発振、分周、駆動回路にはハイブリッICを開発することで時計内部には機械部品を使用しないという画期的な製品で、それまでの機械式からその後の電子式へ、腕時計の世界に歴史的な変革をもたらした。1971年には時計用CMOS ICを開発し、ハイブリッドICはCMOS ICへ移行した。その結果、電子腕時計産業は日本の低消費電力民生用CMOS半導体の技術を牽引した。
開発時の「セイコークオーツアストロン 35SQ」のハイブリッドICはトランジスタ76個、コンデンサ29個などで構成されていた。

アストロン35SQの外観
(セイコーエプソンHPより)

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セイコーエプソンHP マイルストンプロダクツ

半導体産業人協会 ENCORE誌 2009年4月号「クオーツ腕時計開発からC-MOS ICの内作化まで」(PDF)