拡がりゆく半導体応用分野

~ロボット/AI/IoT~

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「拡がりゆく半導体応用分野 ~ロボット/AI/IoT~」の展示室にようこそ!


世界の半導体市場は、さまざまな変遷を辿った歴史的経緯がありますが、長期的なタイムスパンにおいては、持続的な成長を実現しています。それを支えているのは、半導体を搭載する応用機器市場の裾野の着実な拡がりにあると思われます。半導体技術の進展は、大容量化・高速化・低消費電力化等を基本軸としつつ、高機能化やシステム統合化が加速度的に進展しています。この半導体に色々と携わってきた委員会メンバーの視点により応用機器の新分野の歴史を辿ってみようという試みが本展示室です。

この展示では、近年の「第4次産業革命」を引っ張る代表的な分野であるロボット(Robot)、AI(Artificial Intelligence、人工知能)およびIoT(Internet of Things、モノのインターネット)の3つを取り上げています。これら3分野は相互に深く関連していますが、展示に当たってはこの各々の3分野の歴史年表を縦方向に表記し、10年ごとに時代を区分し、関連半導体デバイスとの時間軸での対応づけを行っています。

ロボット(Robot)は一般的な意味でのロボット(産業用ロボット、人型ロボット、掃除ロボットなど)の他に自動運転車やドローンなどを含む広義の概念です。1960年代プレイバックシステムをベースとする第1世代のロボットが開発され、専業メーカーが登場しました。1970年代にはセンサ付きのロボットが誕生し、応用範囲を広げ、その後ロボットの知的能力は向上を続け、今日では多くのロボットにAIが搭載されて、自律的な判断や運動能力が高まっています。近い将来には自動運転車は身近な乗り物となると見込まれています。

AI(Artificial Intelligence 人口知能)の基盤を支えるのはコンピューティング技術です。1956年には「AI」という言葉が提唱され、AIの時代が始まりました。その後、AIは熱いブームの時代と冬の時代の繰り返しがあったものの、2010年代にディープラーニングの手法が開発され、飛躍的な進歩が始まっています。現在では画像認識・音声認識などの分野で多大な技術進歩があり、将来への期待が高まっています。さらに2045年にはAIが人間の知的能力を上回るというシンギュラリティ(singularity)の時代が到来するのではないかと予想する向きも出てきました。

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)はあらゆるものがネットワークに繋がることで、膨大なデータを得ることができ、これをAIで解析し制御することによって多くの分野における課題の解決を導いています。1990年代から民間での利用が広がり、今日ではほとんどの通信がインターネットを通じて行われている一方、IoT ではセンシングデバイスが重要な役割を果たしており、多くの自然現象、社会現象や健康状態などの把握が行われるようになってきました。

半導体は3つの新分野と密接につながり、それぞれの進歩を支える技術基盤を形成していますが、将来にわたって発展を遂げると思われます。

2023年8月
日本半導体歴史館

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[最終変更バージョン] Ver.001 2023/8/1