日本半導体イノベーション50選  (D-2 1960年代)

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電卓用IC、LSIの量産化 

半導体各社は、それまでトランジスタ方式であった電卓の軽量化、低価格化、低消費電力化を目指してIC化のための新しい半導体技術開発を進めた。1960年代半ばからは電卓用のMOS ICの開発と本格的な量産化が始まり、この量産化で日本の半導体産業のMOS IC量産技術が大きく発展した。
1967年12月、シャープがMOS IC 56個を搭載した「オールIC電卓」を発売。半導体各社は1968年にはMSI化、1969年にはLSI化、そして1971年にはワンチップ化と急速にMOS半導体の集積度を向上させた。この電卓用MOS IC、LSIの量産化で、電卓は飛躍的に価格性能比を改善し本格的な普及期を迎えた。
この電卓の普及がMOS IC、LSIの大きな市場を創成し日本の半導体産業の発展を牽引することとなった。

MOS IC HD701外観 MOS IC HD701チップ写真
(日立製作所提供)

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